空き家を地域資源と捉え、空き家で学び実践する、長野県大町市と信州大学、東京大学連携によるまちづくりスクール「空き家の学校」が10月16日・17日に開かれた。
本年度は今月22日~24日、市の各部署が横断的に連携し、大町まちなかの未来を探る3日間「にぎわい社会実験」に参加。街になじみ、市民や観光客が心地良く過ごせる場所づくり「アーバンファニチャー」を担当する。2日間の実習では心地良い場所の実現に向けて、木工ヤマニと山翠舎大町倉庫で制作作業をした。
アーバンファニチャーは、下仲町ポケットパーク、中央通り沿い空き地、下仲町空き地の3カ所に設置。市内の職人の協力を得ながら、それぞれのイメージを固めてきた。
このうち、下仲町ポケットパークを担当するグループは、遊歩道に設けられた柵に取り外しが可能な小さなテーブルの制作を考案。同所には今月オープンしたばかりのコーヒースタンドがあり、利用客などが外でもゆっくりとコーヒーを楽しむことができる滞留スペースを確保することを目指す。
市内で「木工ヤマニ」を営む内山翔平さんの協力の下、地場産のホオノキの端材などを使い、ぬくもりのあるテーブルが次々に完成した。制作した藤原未来さん(信大工学部建築学科修士1年)は「自分のアイデアを現実化できることにワクワクしている」と話し、田中優衣さん(同)は「新しい木を使わずに、あるものを生かすことは環境にも良いこと。完成が楽しみ」と話していた。
アーバンファニチャーは、中央通り沿いの空き地では、座って本が読めるまちなか図書館として、下仲町空き地で北欧の投てきスポーツ「モルック」が楽しめる日よけ付きの休息所などがお目見えする。