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開校150年の大町西小、桜を後世に残すため植え替え CFで協力呼びかけ

毎年春になると咲き誇り児童たちを迎える桜並木

毎年春になると咲き誇り児童たちを迎える桜並木

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 大町西小学校(大町市大町北原町)の開校150周年記念事業の一環で、校内の桜の木を後世に残すための植え替えを行うため、現在、クラウドファンディング(CF)で協力を呼びかけている。

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 同校の桜は現在119本。ソメイヨシノの寿命は80年といわれている中、同校の桜はそのほとんどが1931(昭和6)年に行われた植樹から91年経過している古木で、木の体力が衰退傾向となっている。およそ1世紀にわたり、11万人を超える新入生を迎え、卒業生を見送ってきた桜のある環境を守ろうと、歴代のPTA会長が中心となり実行委員会を立ち上げ動き出した。

 これまでも歴代のPTA役員や歴代の校長で組織された「大町西小 桜の木を守る会」と地域のボランティアが中心となり、1995(平成7)年より消毒作業、枝の剪定(せんてい)、肥料散布などのケアを行い、2009(平成21)年からは、毎年1本ずつ植え替えてきた。こうした取り組みにより、ソメイヨシノの一般的な樹齢を超えて咲き続けてきた、長年の風雪に耐え、枝葉を伸ばしてきた桜も、今年春には上部で花が咲かない枝が目立ち始めた。虫や病気により幹がえぐられている桜もあるうえ、カビ類が樹皮に繁殖している箇所もあり、枝が折れやすく子どもたちの安全にも注意が必要な状態となってきた。

 現在行っているクラウドファンディングは、第1目標である115万円をクリアし、ネクストゴールである150万円を目指している。1本植栽するのに約9万円を要するため、クラウドファンディングで集めた資金は、第1目標までの金額を長野県からの補助金と合わせて活用し、校庭の南側の16本の桜の植栽、第1目標を越えた金額については、校庭東側の植栽資金へ充てる予定。

 広報を担当している塩入賢一さんは「今回のプロジェクトは過去と未来をつなぐもの。次世代を担う子どもたちを思い、次の100年を見据えたより良い学習環境と教育環境を作っていくことが必要。地域の宝であり、歴史文化の証人である『大町西小学校の桜』に次の世代の児童を見守ってほしい。大町西小を愛する皆さまだけでなく、大町市や桜を愛する皆さん、そして、今回関心をお持ちいただいた全ての皆さんに応援してもらえれば」と協力を呼びかける。

 クラウドファンディングは9月25日まで。

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