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大町の木崎湖で旧暦七夕の伝統「ねむり流し」 やぐら燃やし睡魔払う

木崎湖の水上で幻想的に燃えるやぐら

木崎湖の水上で幻想的に燃えるやぐら

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 長野県大町市平山崎地区で8月8日、旧暦の七夕に合わせた伝統行事「ねむり流し」が行われた。

重機を使ってやぐらをいかだに立てる自治会メンバー

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 地区住民が木崎湖の湖面に浮かべた高さ約8メートルのやぐらを燃やし、睡魔や疫病の退散などを願った。

 ねむり流しは、秋の収穫作業の妨げとなる眠気を払う行事で、青森県の「青森ねぶた祭り」が広く知られている。かつては木崎湖周辺の各集落で子どもの行事として行われていたが、少子化の影響で多くが途絶えてしまった。

 山崎地区では地域の伝統を守ろうと、自治会メンバーが毎年、やぐらを製作。三角すい状に組んだ柱にかやや爆竹を詰め込み、重機を使っていかだの上に立てて縄で固定。沖に浮かべて火を着けると、破裂音とともに勢いよく燃え、火柱が湖面に反射する幻想的な光景に、住民や観光客から感嘆の声が上がった。

 自治会長の宮島良夫さんは「地域外に出た住民が戻った時に故郷の伝統を見てもらえるように守っていきたい。コロナ禍の影響で地域の行事も減っている。睡魔と共にコロナも退散してくれれば」と話す。

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