「安曇野ちひろ美術館」(松川村西原)で3月1日、春の展覧会「ちひろが描いた映画と音楽」が始まった。
「映画と音楽から読み解くちひろの絵本づくり」をテーマに、いわさきちひろが親しんだ音楽からイメージしてつくられた絵本や「はくちょうのみずうみ」「あかいくつ」を絵本化した作品など、映画や音楽に関連する作品約70点を展示している。作品には映画に用いられる、オーバーラップという2つの場面が重なって切り替わる効果の表現や水平アングルなどの表現技法を取り入れており、作品と共にいわさきちひろの絵本表現を紹介している。
同館初公開となる、絵を光に当て投影する現在のスライドのような技法=幻灯での「最後のつたの葉」をデジタル化した作品を展示するほか、映画のスクラップや切り抜きしていた雑誌のコレクション、愛用したレコードなども展示している。
展示室内にはいわさきちひろが好んだ楽曲が流れており、「音楽を感じながら絵を親しんでもらえるように」と音楽を聴きながら作品を鑑賞することができる。
同時開催されている「わたしたちは集い、歌い、踊る」では、出会いや音楽、祭をイメージした世界の絵本画家たちが描いた作品や荒井良二さんが2003(平成15)年に安曇野に滞在し制作した作品インスタレーションなどを展示している。
広報担当の宗像仁美さんは「映画やコンサートなど制限を強いられた生活の中で、作品の中には制限がない。春に合わせて心踊るようなにぎやかさを感じていただければ」と呼び掛ける。
開館時間は10時~17時(3月は16時まで)。水曜休館。入館料は、大人=900円、高校生以下無料。5月29日まで。