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ベテラン農家から有機稲作を学ぶ 長野・池田町のゲストハウスで勉強会

講演する宮田兼任さん

講演する宮田兼任さん

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 長野県池田町のゲストハウス「シャンティクティ」(池田町会染)で2月9日、「有機稲作勉強会」が開かれた。近隣の市町村から農家や地域おこし協力隊員、村議会議員ら13人が参加した。

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 主催は、隣接する池田町と松川村の有機農家から成る「池田松川有機稲作研究会」。同会は2021年1月に発足し、ほ場での実習による勉強会を開くなど有機農業の取り組みを進めている。

 勉強会は3部構成で行った。1部では松川村で22年にわたり有機農業を行う同会員の宮田兼任さんが「なぜ有機農業に取り組むか?」をテーマに講演。農薬や化学肥料の使用による生態系の破壊や米価の下落による農業経営の厳しい現状に触れ、「これまで田んぼにいた昆虫が見られなくなってきている。生物の多様性が失われつつある」と危機感を募らせる。一方で、2020年から有機米の地域の学校給食への提供を実現するなど「有機農業の道が開けてきた」と手応えを話す。「有機農業で生活していく道を開いて、子どもたちの未来につなげたい」と思いを語った。

 2部では、民間稲作研究所(栃木県三川町)が制作した有機稲作の方法を解説するDVDを視聴。有機肥料の種類や耕起の仕方など具体的な栽培方法を紹介。続く3部では、池田町で24年間、有機稲作に取り組む同会員の矢口一成さんが講師となって技術面での話をし、質疑応答が行われた。

 同会と活動するシャンティクティのオーナー、臼井朋子さんは「ここ数年で地域での有機農業に対する意識の高まりを感じる。環境面だけでなく経済面でも地域の活性化につながる有機農業について、情報発信に力を入れていきたい」と話す。

 同会は3月21日から6回にわたり、稲作の研修会を予定する。

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