
安曇野ちひろ美術館(松川村西原、TEL 0261-62-0772)で3月1日、今期の春の展覧会が始まった。画家・いわさきちひろが遊びの情景を描いた作品や、日本を代表する絵本画家・赤羽末吉の画業を紹介している。
「ちひろ・子どもとあそび」では、絵本や育児書、絵雑誌、かるたなどに描かれたちひろの作品を、資料と合わせて約100点を展示している。
戦後、東京の路地裏で遊ぶ子どもたちの姿や、幼稚園で集団遊びをする園児たちの姿、動童謡に合わせて描いた昔懐かしい遊びの情景など、レトロで美しい色使いの作品やスケッチが並ぶ。同館スタッフは「楽しそうに遊ぶ子どもたちの姿を通して、温かい気持ちになってもらえれば」と話す。
「生誕111年 赤羽末吉展―絵本への一本道―」も同時開催し。赤羽末吉は22歳から15年間、旧満州で暮らす中で、郷土文化に魅せられ日本画を描き始めた。戦後、日本で制作した「スーホの白い馬」のほか、主に民話を題材にした80冊以上の絵本を発表。日本人初の国際アンデルセン賞画家賞を受賞した。
同館にへ寄贈された遺作6800点の中から、作品作りの背景を紹介する資料を交え約140点を一堂に展示する。昨年予定してた生誕110年の企画展を延期しての開催となった。
同美術館は今期から、多言語のデジタルガイドサービスを開始。手持ちのスマートフォンで館内に掲示されるQRコードを読み込むと、作品の解説が音声と文字で楽しめる。
開館時間は10時~17時(3月は16時まで)。水曜休館。入館料は900円(高校生以下無料)。