長野県大町市美麻地区の「美麻地域づくり会議」が8月17日、初めてのジビエ料理教室を美麻総合福祉センター(大町市美麻)で開いた。
地域の課題である有害鳥獣被害への対策として、地元産鹿肉の消費拡大につなげようと、食材の魅力と調理方法を伝えた。
教室には親子4組8人が参加し、地区内の「農園カフェ ラビット」オーナーシェフの児玉信子さんが講師となりカレーとオムレツを調理。鹿肉をヨーグルトに漬け込み軟らかくするなどのコツを学びながら、スパイスや地元産野菜を使った料理に挑戦した。
児玉さんは「鹿肉は高タンパク、低カロリー食材。臭みも少なく、あっさりとした味わい」と魅力を説明。参加した美麻小中学校6年の川澄しほりさんは「他の肉と違った食感で、軟らかくておいしい。次はハンバーグを作ってみたい」と話していた。
美麻地区では増加傾向にある鹿などの有害鳥獣による農産物への被害が深刻化している。駆除された多くが地区内の美麻ジビエ工房で処理され、飲食店などに出荷されているが、販路が限られ消費が追い付いていないのが現状だ。地域づくり会議はコロナ禍の影響で飲食店での消費が落ち込む中、一般家庭への普及を目指して教室を開いた。