高瀬川で進められている河川改修工事で松川村内の区域を担当した「原山木材」(大町市常盤)が4月27日、工事に協力してくれた地域や地元漁協への恩返しとして、ニジマス約80キロを高瀬川に放流した。
現場管理者の原山訓さんは「魚がすんでいるきれいな川。これから先、人も魚も植物もすみやすい川であってほしい」と思いを込めた。
工事は2018(平成30)年の西日本豪雨災害を踏まえ、大雨による災害対策として国の事業で実施。高瀬川では大町・松川・池田地区で工事が行われている。同社は松川村内の区域を請け負い、約3キロにわたり河川内の木を伐採し、1キロほどの区間で掘削作業を行い、幅54メートルの水路を整備した。
河川内の工事による生態系への影響を配慮し、工事は水を濁らせないように工夫するなどして進めた。工事がほぼ完了し、「魚がすむきれいな川になってほしい」と原山さんが放流を発案。放流には犀川漁業協同組合第8支部が協力した。
川は地元住民らが釣りに訪れる他、下流ではカジカ漁が行われる。同支部の宮沢哲郎支部長は「川の流れを変えることは生態系にも影響が出る。配慮してもらいありがたい」と感謝している。