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長野県白馬村に地域初のコンテナホテル「raw_」 1日3組限定

「自然環境への負荷を少しでも減らそう」という思いから、役目を終えたコンテナを再利用している。

「自然環境への負荷を少しでも減らそう」という思いから、役目を終えたコンテナを再利用している。

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 コンテナホテル「raw_(ロウ)」(白馬村神城)が9月30日、白馬村で初となるコンテナ建築の宿泊施設として営業を始めた。

部屋の様子

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 経営は元日本代表プロスノーボーダーの高橋恭平さん。長野県白馬村で育ち、「地元の観光産業を活性化させたい」という思いで、コンテナを建材に使ったラーメン店「高橋家」を経営しており、その敷地の一角で同ホテルを開業した。同ホテルは、高橋さんと同じく白馬村で育った同級生を中心に、共感したアートディレクター、フォトグラファー、一級建築士、インテリアデザイナーなど各分野のプロが集まり、役目を終えたコンテナを再利用して、一棟ごとに独立したプライベート空間を作り上げた。

 近年、アウトドア需要の高まる白馬エリアでは、ワーケーションスタイルの滞在にも適した一棟貸しやコンドミニアムタイプの宿泊施設が増えているが、コンテナ建築の宿泊施設はこれが初めて。スキー場やJR白馬駅などにもつながる国道ロードサイドに位置し、隣接する同じくコンテナ建築のラーメン店「高橋家」と連結して、一つの大きなコンテナ複合施設となっている。

 コンテナを選んだ背景に「自然環境への負荷を少しでも減らそう」という思いがある。耐久年数が15年といわれており、繰り返しの衝撃にも耐えられるよう作られたコンテナは、耐水・耐火性に優れた頑丈な建材として再利用するケースが近年、増えている。

 同様に自然環境への負荷の配慮から、室内には使い捨てアメニティーを置かず、置き型ボトルに統一。オーガニックのバスやスキンケアアイテム、伝統的な技術で作られたキッチン用品、白馬のカフェ「sounds like cafe」のコーヒードリップバッグなど地元産のものを室内に備えている。

 ホテル名の「raw」は「生の、未加工の、元となる」などを意味する言葉で、コンテナという最小単位の箱でできた空間で滞在を楽しんでほしいという思いで名付けた。冬は豪雪地帯となる同村でも暖かく過ごせるよう断熱加工を施した、滞在スタイルに合わせて選べる大中小の3つの部屋を備え、スキーや登山などのアウトドアを楽しむために白馬村を訪れる人をターゲットに据える。大中の部屋には、2階部分にプライベートウッドデッキと露天風呂もある。

 高橋さんは「白馬村は決してアクセスが良い地域とは言えない。若い頃にスキーやスノーボードをしに訪れても、次第に足が遠のいてしまうのは仕方がないことなのかもしれない。そんな地域に暮らし、出会いと別れを繰り返す中で、限られた機会をもっと上質なものにしてほしいと考えるようになった。本当に満足できる旅に必要なものはシンプル。『本物志向』というテーマに行き着き、宿泊客の目線で細部までこだわり抜いて構築した。幸い本質を理解する協力者に恵まれ、最高のチームで夢を詰め込んだホテルができた。白馬への旅の思い出に、ぜひ利用してほしい」と呼びかける。

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