北アルプスを貫き長野県と富山県を結ぶ山岳観光路線「立山黒部アルペンルート」が6月1日、1971(昭和46)年の全線開業から50周年を迎えた。
記念式典が室堂(標高2450メートル)の「ホテル立山」で開かれ、両県から行政や企業などの関係者約80人が集まり、地域の観光産業を支える拠点の節目を祝った。
式典ではルート整備の計画から工事、開業までの歩みを振り返るスライドショーを上映。厳冬の北アルプスを越えたと伝えられる戦国武将・佐々成政の「さらさら越え」をテーマに、「おもてなし武将隊」が演舞を披露した。
路線を運営する立山黒部観光によると、アルペンルートは元々、富山県側による立山の観光交通整備事業として室堂まで運行。黒部ダムの建設をきっかけに両県をつなぎ、人の流れを生み出そうと、1969(昭和44)年に黒部ケーブルカー、1970(昭和45)年に立山ロープウェイ、1971(昭和46)年に立山トンネルバスが開通した。開業から2020年までに、国内外の観光客約5700万人が訪れたという。
長野県側の玄関口・大町市の牛越徹市長は「アルペンルートは観光誘客の拠点。国内外から多くの観光客を迎えてきた。両県を結ぶ唯一の「天空の架け橋」。50周年を契機に多くの観光客に満足してもらえる観光ルートとして発展してほしい」と話した。