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自然の多様性を発信する「池田町の蝶図鑑」 CFの支援で発刊

完成した図鑑を手にする宮田さん

完成した図鑑を手にする宮田さん

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 長野県池田町を中心に活動する地域団体「Maple Tree(メープルツリー)」が2月20日、クラウドファンディングによる支援を受け「池田町の蝶(ちょう)図鑑」を発刊した。

「池田町の蝶図鑑」

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 同団体が発行するフリーペーパー「いけだいろ」の連載企画「池田の蝶」を再編集し、新たな記事を加えたもの。約70ページの構成で、町内でこれまでに確認されている116種のチョウを生息する環境ごとに分類してカラー写真付きで紹介。ポケットサイズに仕上げ、観察時などで持ち歩けるように工夫した。

 連載を担当するメンバーの宮田紀英さんは池田町で育ち、父親の影響で、9歳でチョウの写真を撮り始め、毎年、町内で写真展を開いている。現在は信州大学大学院で環境教育について学ぶ。今回の出版に当たり、15年間撮りためた中から図鑑にふさわしい写真を選定した。

 図鑑では自然環境の変化から今後見られなくなるチョウの存在にも触れる。宮田さんは「2015(平成27)年頃からチョウの数が減っている。人工林の管理がされず暗い森が増えているからでは」と話す。ステンドグラスのような発色が特徴のコヒョウモンモドキは、昨年は町内で1対しか見かけなかったと話し、自然環境の変化を懸念する。

 発刊に際して、宮田さんは「想像していた以上に支援を頂いた。図鑑を通して身近にいるチョウや自然環境に興味を持ってもらうきっかけになれば」と話す。

 クラウドファンディングは目標額の14万円に達し、新たな目標額の20万円を設定。フリーペーパーの読者や宮田さんの活動を応援する人を中心に、最終的に約28万円の支援金が集まった。

 価格は1,200円で、町内のカフェや美術館の他、ネットで販売している。

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