長野県池田町の会染小学校(池田町会染)で11月17日、小学3年生が地元の生産者と共に小豆の脱粒作業などを行い青空の下で汗を流した。
同小での小豆の体験授業は今年で6年目。2016(平成28)年に地元の在来種「桜仙峡(おうせんきょう)あずき」を生産する桜仙峡あずき保存会が特産小豆で作った赤飯を、入学式で新1年生に贈ったことがきっかけで、当時の担当教諭が保存会に栽培の協力を依頼したことから取り組みが始まった。
種まきから収穫、乾燥までの一連の作業を保存会が協力して行う。同学年は、1年生から生活科の授業として作業を体験し、今年は総合的な学習の時間として3年目の作業。2クラス45人の生徒が慣れた手つきで作業していた。
電動機械を使わずに昔ながらの手法で、枝に付いた状態の小豆を木の棒でたたき、さやから豆を出す脱粒や、風力を利用する農具・唐箕(とうみ)を使っての精選、水洗い、天日干しなどの作業を行った。子どもたちがわらべうたを歌いながら脱粒作業する場面もあり、児童らは「どの作業も楽しい。食べるのが楽しみ」と目を輝かせていた。小豆は年度内に授業で調理する予定。
同学年を1年時から受け持つ担任の佐々木美子教諭は「子どもたちが作業したことが小豆の成長として目に見える。頑張るとこうなるという達成感につながる」と話す。
池田町の山あいにある陸郷地区で明治期から100年以上にわたり栽培されている在来種小豆は、2015(平成27)年に地元の生産者らで保存会を設立し、町の特産品にもなっている。
同保存会の寺島孝会長は「良い活動だと思う。今では珍しくなった昔ながらの作業を体験して覚えてもらい、後世につなげていければ」と期待を込める。