長野県池田町のビオホテル「カミツレの宿 八寿恵荘」(池田町広津)で11月7日・8日の1泊2日で、「乳がんサバイバーの会KSHS 秋のカミツレツアー」が開かれた。
KSHS(キチンと手術・ホンネで再建の会)は、代表の溝口綾子さんが自身の乳がん手術・治療・再建の実体験を機に設立。女性として前向きに生きられるよう再建までが治療のゴールと考え、体験者との交流を持ち、2009(平成21)年に活動を始めた。
医師によるセミナーや乳がん患者を応援する企業や患者同士の交流の場を提供する活動で、春と秋には「カミツレツアー」の企画も行っている。ツアーは2012(平成24)年に始まり、主に乳がんサバイバーが貸し切りで宿泊できるため「似た経験を持つ参加者同士で不安を話しやすく、大浴場で気兼ねなく入浴できる」という。「がん治療後に体質が変わり肌への刺激で普段は湯船に入れなかったが、『保湿効果の高い』という宿が提供するカモミール(カミツレ)の入浴剤を使うことで入浴できた」という参加者もいた。
溝口さんは「人との触れ合いや体を癒やすことで参加した方が笑顔になり、居心地よく過ごし、前向きになってほしい」と話す。
今回のツアーでは、大峰高原での七色大カエデと中大カエデの紅葉散策や宿の自社畑での野菜の収穫や脱穀体験、乳腺外科の医師とのオンラインセッションも行い病気に対する質問や近況報告も行った。
同宿を運営する「SouGo」(東京都江東区)の北條裕子社長は「自然素材に囲まれた環境で過ごし自然に触れることで、普段蓄積しているストレスや疲れをリセットしてもらえれば」と思いを語る。