長野県大町市内を現代アートで飾る「第2回北アルプス国際芸術祭」の今年8月の開幕に向けたプレイベントとして5月、12作品の先行公開が始まる。
作品制作は順調に進んでおり、旧大町北高校(大町市大町)校舎では現在、2組のアーティストが「廃校に再び脚光を」「アートで大町を表現したい」と制作に取り組んでいる。
特別教室棟「書庫」で作品を制作するのは箱作家の渡邊のり子さん。4月11日に大町入りし、今月末まで滞在制作している。5、6センチ四方の小箱の中に身近な小物を組み合わせる作風。今回の芸術祭では「今日までの大町の話」がテーマ。ガラスの欠片とブレスレットでスケート場を表現するなど、大町を中心に入手した小物を使いながら30個の小箱で地域の自然や文化などを発信する。
同校で拾った石やグラウンドフェンスに引っ掛かっていた落ち葉など小物はさまざま。組み合わせを考えながら、「小箱からのぞく大町」を作り上げている。渡邊さんは「大規模芸術祭への初参加に心躍る。組み合わせの答え合わせも楽しんでもらいたい」と話す。
特別教室棟「調理教室」では「原倫太郎+原游」が「ウオーターランド小さな大町」を題名に、教室内に小さな大町を再現。実際に水の流れを作り上げ、沿線に暮らしや動物、観光名所などを表現したイラスト入り彫刻を飾り付けている。流れの全長は約30メートルで、実際に小舟を浮かべ走らせることもできる。現在は倫太郎さんが滞在制作し、水の流れを構築中。「ボートレースもできるなど、誰でも楽しめる体験型の作品になる」という。
先行公開は5月15日からを予定。