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長野・池田町の陶芸家が新調した登り窯で作品200点を初窯出し

火を入れ続けた窯焚き

火を入れ続けた窯焚き

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 陶芸工房「アツムイ窯」(長野県池田町滝沢)を構える陶芸家の森岡光男さんと宗彦さん親子が4月3日、昨年12月に新調した登り窯初の窯出しを行った。主に光男さんが制作した200点以上の作品が焼き上がった。

窯出しされた器の数々

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 国内各地の窯元で修業し欧米を渡り歩いた光男さんは44年前、池田町や旧八坂村で磁器や陶器を作り始めた。22年前に穴窯を築き、「海」や「湖」を意味するアイヌ語のアツ、「静かな」を意味するムカイから「アツムイ窯」と命名。自身で築いた窯は10基以上に上る。

 直炎式の穴窯と違い、燃焼室と熱成室に仕切られた倒炎式の登り窯は温度変化が少なく、均一に焼き上がるのが特徴。レンガを積み上げた奥行き約7メートル、幅と高さ約1.6メートルの窯を2人で3カ月がかりで仕上げた。

 火入れは3月27日の朝に始まり、アカマツのまきを約30時間燃やし続けた。1300度まで熱してから自然冷却し、火入れから1週間後に窯出しした。

 備前や有田の土、地元の土などを用い、釉薬を掛けて焼いた染め付けの茶わんやコーヒーカップ、白磁の花器などの作品が次々と外に出された。

 「馬」の文字を反転させた「左馬」の文様を入れた器も初窯で焼き、縁起を担いだ。

 宗彦さんは火入れ前、「最終的には神頼み」と神棚にお供えをし、光男さんは「これでいいというのはない。課題も見えてきた」と話していた。

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